俳優の三浦春馬さん(享年30)の急逝が報じられたのは、2020年7月18日。
確か初めて演技を見たのが2006年のテレビドラマ「14才の母」。
なんて爽やかに笑う俳優さんなんだろうと思った。
「ラストシンデレラ」や「永遠の零」なども、当時拝見させて頂いていた。ものすごく好きな俳優さんだったか?と聞かれると、ちょっと違う。
そして、私はテレビから遠のきYouTubeを見るばかりの生活になっていた。育児+仕事という日々の中で、短時間でエンターテイメントを提供してくれるYouTubeがちょうど見易かったのだと思う。
テレビでは、1番組あたり大体1時間。YouTubeなら、1番組が大体5〜10分ほど。ちょっとした気分転換にちょうど良かったのかもしれない。
そして、2020年初頭からの新型コロナウイルスの流行・自宅待機。
これまでにない生活への制限と命の危険と不安を感じ、心に余裕の無い日々だった。そして、つい先日の三浦春馬さんの急逝。
自分よりも年下の容姿端麗で才能溢れる若き人が自死したことに対し、心が落ち込むのを感じた。自死した理由は、誹謗中傷によるものと言われている。それは、少し前に自死したことで記憶に新しいテラスハウスに出演していた木村花さんと同じ理由。
もちろん、それ以外の複雑な理由も絡み合っているのかもしれないし、真相は本人にしかわからない。
心に重しがついているのを感じたまま、私はようやくいくつかの三浦春馬さんが出演されているYouTubeの動画を拝見した。
なかでも、強烈なインパクトを与えてくれたのはミュージカル「キンキーブーツ」
「キンキーブーツ」とはどんなミュージカル?
キンキーブーツは、イギリスの田舎町にある靴工場「プライス&サン」の4代目であるチャーリー・プライス(小池徹平)が工場を継ぐところから物語がスタートする。
工場はすでに倒産寸前となっており、ローレン(ソニン)をはじめとする従業員たちを解雇しなければならない苦悩と対峙することとなる。
ローレンからアドバイスをもらったことにより、ロンドンで巡り逢ったドラァグクイーンのローラ(三浦春馬)から着想を得て、ドラァグ・クイーンのための「キンキーブーツ」を作ることになる。
「キンキーブーツ」ほど実際に見に行きたかったミュージカルは無い
「キンキーブーツ」を見て、最も驚いたことはそこに「三浦春馬」がいなかったことだ。そこにいるのは確かに「ドラァグクイーンのローラ」だった。
無駄がなく妖艶で女性よりも女性らしい立ち振る舞い。
磨き上げられた容姿・歌・ダンスも。
イメージしていた「三浦春馬」はもっと線の細い繊細な男性というイメージだった。でも、キンキーブーツに出ていたローラの三浦春馬は、全く違う。
男性の脚線美を活かし、さらに女性らしいしなやかさも加わっているように見受けられた。
どれだけの努力を持ってすれば、あのローラという役は演じられるのだろうと動画を視聴していて心から感服してしまっていた。
三浦春馬だけではなく、他のキャストも本当に活きいきと演じているのが手に取るように伝わってくる。素晴らしいチームでカンパニーなのだと。
なぜ、もっと早く「キンキーブーツ」に出会えなかったのかと心から口惜しい気持ちになった。恐らく、多くのミュージカルファンがそう感じているだろう。
こんなに芸能界からも多くのファン達からも惜しまれた若きスターは、今までに居なかったように思う。
そして、私自身の命の期限までだって、果たしていつまでなのかなんて誰にもわからない。
だから、「これは」と思う舞台があった時には、逃さずに見に行きたいと改めて強く思った。命あるときに、全力で舞台に立つ人達の演技や歌、ダンスを見に行きたい。
改めて
三浦春馬さん、心よりご冥福をお祈りいたします。